HSRプロジェクト断念 マレーシア、シンガポール両国、合意に達せず

 マレーシアとシンガポール両政府は1日、両国を結ぶ高速鉄道(HSR)計画を撤回する共同声明を発表した。マレーシアによって提案されていた変更事項について交渉期限内に合意に達することができず、2020年12月31日をもって事業計画が打ち切られることとなった。


 共同声明によると、新型コロナウィルスのパンデミックによるマレーシア経済への影響により、マレーシア政府が同プロジェクトに対する見直しを提案。これについて両国は提案された変更事項(計画の再構築、駅の配置や設計などの再検討、また建設開始を2年早めるなどことに加え、後払いなどを含むより柔軟な資金調達方法や官民パートナーシップなどのマレーシア経済の復興を後押しする内容)に関して議論を重ねたものの合意を得られず、12月31日をもって両国のHSR協定は失効した。


 マレーシアの首都クアラルンプールとシンガポール西部(ジュロン・イースト)を90分で結ぶ全長350キロのHSRプロジェクト構想は、10年のナジブ政権時に本格化。同事業計画は13年12月13日にシンガポール政府と正式に合意に達した。


 2026年に開通予定だった同事業計画は、18年マハティール前政権がナジブ政権からの引き継いだ財政赤字を理由に、シンガポールへ20年5月末までの計画延期を提案。マレーシア政府はシンガポールに補償金1,500万シンガポールドル(約11億7,000万円)を支払った経緯がある。その後20年3月に政権を引き継いだムヒディン現政権が同事業計画の開発延期を再提案。同年5月31日に、両国政府は2020年12月31日までの再延期に合意していた。

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