野菜価格 高騰の見通し

 市場への野菜の供給が急速に減少する中、全国における野菜の価格は急騰する見通しだ。


 問題の核心は、サプライチェーンにある。新型ウィルス危機に対応して行われている厳しい移動制限措置によって、供給連鎖が寸断されているためだ。農家の野菜の在庫は膨れ上がり、一部は寄付に回したりしているものの、残りは廃棄処分となっているのが現状だ。


 キャメロン・ハイランドや他の地域からの農産物の主要供給市場であるセラヤン卸売市場への野菜の供給が、消毒作業で一時的に閉鎖された(22~24日時点)。セランゴール州を除いたマラッカ、ネグリ・センビラン、パハン、ジョホールの一部小売業者は、セラヤン卸売市場から供給を受けている。


 卸業者は、このような状況下で「野菜を市場に送るのは不経済だ」とこぼす。


 クアラルンプール野菜卸売り業者協会のウォン・ケン・ファット会長は21日、本誌の取材に対して、セラヤンの卸業者らが(野菜の)注文を一時停止したことについて、「(農家からの)野菜を配達する場所がない」と窮状を訴えた。


 通常、小売業者はセラヤン卸売市場に行き、商品を受け取るが、「小売業者は少量しか購入しない。野菜の輸送には2~3トントラックを使っている。トラックのオーナーはトラック毎に片道あたり500リンギを請求しているが、配送量が少ないため、(野菜を)返品するための輸送費をカバーできない」と説明した。そのうえで、「ハイパーマーケットなどからの大口注文が入れば、卸業者は躊躇することなく配送する」と語った。


 同会長は、このように卸売業者が小規模小売業者への供給に消極的であることから、今後、野菜の価格は急激に上昇するだろう、とみている。


 しかし、農家は別の問題で苦しむことになるかもしれない。


 キャメロン・ハイランド農業協会のノン・ティエン・クーアン会長によると、「卸業者らが野菜の受注をキャンセルしたことにより、農家からの過剰供給が発生している。中間業者に(野菜を)売ることはできないため、野菜をただ手渡すしかない」と述べたうえで、「チャリティー団体に渡す分も限られているので、残りは廃棄することになる」と現状について述べた。


 1カ月以上前に移動制限令が施行されて以来、野菜農家は農産物供給の寸断に直面し、大きな損失となっている点に留意すべきである。農家は、農産物の寄付する際のコストも負担し、多大な努力を重ねている。


 そのうえで同会長は「農家が野菜を個々の市場に届けることは不可能」と述べた。加えて、「通常15トンの大型トラックがキャメロン・ハイランドの農場から野菜を引き取る際、野菜の種類ごと、各売り手のニーズに沿う仕分けをすることができない。まだ、そのようなシステムが整っていない」と言及した。(ザ・サン・デイリー/4月22日)

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