壊れたフード・サプライ・チェーンの修繕が急務

 市場では魚介類の価格が天井を突き抜ける中、約1,000万リンギ相当の冷凍魚がクラン港でスタックしている。全国漁業協会は、腐敗が進みやすいこれらの食品の迅速な処分を当局に求めているが、政府がこの切迫した状況を共有しているかどうかは不明だ。

 流通チェーンの破壊は港だけでなく供給者の問題へと拡大している。卸売市場は人手不足が障害となり業務がほぼ停滞、消費者は新鮮な野菜だけでなく魚介類も十分に供給されなくなってきているのだ。


 このフード・サプライ・チェーン(食の供給網)の脆弱性は、政府による移動制限措置の発令後、キャメロン・ハイランドの農場から国内全土の消費者へ野菜の供給が途絶え、価格が急騰した4月に露呈した。農家は野菜を底値で売ったり、余った野菜を寄付したが、それでも残った野菜は廃棄処分となり、食品投棄の問題を引き起こした。


 他の国々でもこのようなケースが多発している。新型ウィルスのパンデミックにより食の供給網が破壊され大混乱、酪農家は余った牛乳を排水溝に捨てる事態が起きている。飲食店やホテル、レストラン、喫茶店、オフィス、学校の一時閉鎖に伴い、乳製品の需要が激減したことによるものだ。また、乳業工場や乳製品の加工工場も労働者不足の影響を大きく受けたことによる。


 米食肉加工最大手のタイソン・フーズは、米ニューヨーク・タイムズ紙に全面広告を掲載し、「フード・サプライ・チェーンは破壊されている」と警告した。同紙は、「加工処理工場の閉鎖により、鶏や豚、牛などの何百万匹もの動物を失うことになるだろう」と報じた。


 食の供給網を再評価、かつ、調整を行う必要があり、この問題が卸売業者にあるなら、彼らを回避するなど流通経路を変更する必要がある。


 米大手会計事務所のプライス・ウォーター・ハウス・クーパースの調査によると、「東南アジアのフード・サプライ・チェーンはパンデミック前から危険にさらされていた。最近の展開は、潜在的にあった問題に切迫感をもたらしただけ」と指摘している。(ベルナマ/5月22日)

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