低金利政策 経済への効果

 マレーシア中銀が政策金利を1.75%まで引き下げたことにより、消費支出が増加、景気回復に貢献するだろうとみられている。


 サンウェイ大学経済学部のヤー・キム・レン教授は8日、「政策金利が2004年以来の水準となり、銀行融資の金利が引き下げられたことで、製薬業界や医療機器業界などの成長産業は拡大するだろう。だが、金利生活者への影響は避けられない」と指摘。「政策金利が低いということは、借り入れコストが下がるということ。消費者はより低い金利での借り入れが可能になる」とザ・サン・デイリー紙の取材に答えた。


 同氏はまた、「(金利の引き下げにより)消費や投資への融資を低コストで行うことを奨励することができる。比較的若い人口を抱えるマレーシアのような中所得国において、人々が低金利に対してよい反応を示し、需要が回復することを期待しいる」と述べた。


 また借入コストが低くなった今、企業による拡張プロジェクトも増えるだろうと指摘。「低金利は企業の情報通信技術や自動化、デジタル化などの事業拡大への投資を大いに後押しする。資金調達コストの削減は、eコマース(電子商取引)への移行や技術向上を可能にし、ひいては現況市場での業界地位の確立につながる」と述べた。ゴム、プラスチック手袋、医療機器、医薬品、フェイスマスクなどの製造業は、新型ウィルスの世界的流行の影響で需要が高まっている。

 一方で、金利引き下げの恩恵は、貯蓄者には相反するものとなる。これについては、「低金利は、預金者や貯蓄者など確定利付き証券などからの金利収入にを得ている人々には不利になる。特にリタイア組(退職者)の収益は減少するだろう」と述べた。

 一方、タン・アブドル・ラザク大学のエコノミスト、バルジョアイ・バルダイ教授は、「景気後退の最低水準に達しておらず、金利引き下げは時期尚早だった」と警告している。


 同教授は「第2四半期の今、景気は後退局面に突入しつつあり、第3四半期は更なる下落に直面する」と指摘。そのうえで「金融緩和は経済界を支援するためのものと理解はしているが、完全な不況に直面するまで市場が回復できるかどうかの確信が持てない」とし、「景気回復の時期が来たら、長期的な経済利益のためのインフレ刺激策の実施が賢明だ」と述べた。(ザ・サン・デイリー/7月9日)

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