両替商も厳しい局面

 マレーシア政府が国境封鎖などの移動制限措置を開始した3月18日以来、同国内の両替商の業績は90%以上落ち込んでいる。オンラインサービスを提供する以外、店舗での営業が認められていないことが大きい。


 マネー・サービス・ビジネス協会は19日、「現時点における売り上げだけでなく、キャッシュ・フローもゼロに落ち込んだ」と本紙に語った。同協会のスポークスマンによると「送金サービスも提供しているマネー・サービス・ビジネス(MSB)各社は、政府の条件付き規制施行下で5月4日から営業を再開したが、政府が要求している標準作業手順に準拠する各州の準備状況によるため、売上高はびびたるもの。給与や賃料などを含む主な諸経費をカバーするには到底不十分だ」としたうえで、同業界は年初から経済の不確実性に端を発した売り上げの大幅な減少に見舞われているとも述べた。


 また、「両替サービスは観光業界に極めて重要な部門。新型ウィルスのワクチンが利用できるようになるまでこの厳しい状況は続くだろう」とし、「パンデミックを封じ込めるための水際対策として世界各国が国境封鎖を続ける限り、ビジネスがいつ回復するのを予測することはできない。したがって今後はインバウンドとアウトバウンドがゼロというツーリズムが新常態となっていくとみている。これはインバウンド、アウトバウンドツーリズムを当てにする両替商には大きなマイナスとなる」と言及した。


 また、パンデミックによる外国為替のボラティリティが高くなった結果、両替商は政府による規制導入時に保有していた外貨を損失している状況についても指摘。現状の顧客は投資として外貨を購入する地元の人々と、帰国できずに現地にとどまっている外国人観光客のみであることも追い打ちをかけている。


 また、XEやその他のインターネット上の簡易通貨換算サイトなどで見かけるレートは実際の両替には適用されないということを知らずに、そのレートを要求してくる顧客がいることにも言及。同協会は「両替商は運営コストを取り戻すためにマージンを取る必要がある。収益を確保し、生き残るためだ」と述べ、諸経費をより適切に管理するために業務を縮小する両替商や一部合併の可能性についても言及した。


 そのうえで政府は、同業界を短期的に支援するために従業員の雇用保持と賃金助成制度を導入したものの、同協会は「資金援助の欠如とごくわずかな売り上げのために人手の見直しを強いられることになるだろう」と指摘している。(ザ・サン・デイリー/5月20日)

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