ムヒディン新政権 副首相なしで組閣

 ムヒディン首相は9日、閣僚名簿を発表した。マレーシア史上初となる、副首相なしの組閣となる。


 代わりに上級大臣4人を新たに任命。経済、防衛、インフラストラクチャ開発、また、社会問題と教育のに関する問題を補佐する。これに伴い、貿易産業相にアズミン・アリ氏、国防相にイスマイル・サブリ・ヤーコブ氏、公共事業相にファディラ・ユソフ氏、教育省にラドジ・ムド・ジディン氏をそれぞれ指名した。


 同首相は記者会見で、複数の省庁に関して、“現状のニーズに則って”再編されていることに触れ、「新内閣は、経験豊かな政治家、技術者や専門家からなる国民に最も焦点を置いた効果的、かつ、誠実な内閣。各省間の問題を効率的に調整し、真のサービスを国民に提供できる内閣を作ることを念頭に置いた。(自身の)不在中の閣議議長など、上級大臣に支えてもらい、首相としての務めを実行していく」と述べ、これらを踏まえたうえで、「副首相を任命する必要はないと判断した」ことに言及。また、大臣らは内閣での職務を行う前に、まず上院議員に任命されるとした。


 今回の組閣では、CIMBグループの最高経営責任者、ザフルル・アジズ氏が財務相として民間から入閣、首相府相(宗教担当)と連邦直轄区相にはズルキフリ・モハマド・アルバクリ氏が任命された。また現公会計委員会委員長のノライニ・ビンティ・アハマド氏(UMNO)が新省として再導入された高等教育相に任命、同様に新たに導入されたサバ・サラワク州問題担当の首相府相に、サバ統一党(PBS)総裁のマキシムス・オンキリ氏が任命された。


 加えて、そのほか中核とされる内務省、保健省、外務省、運輸省の各省は、それぞれ、ハムザ・ザイヌディン氏(PPBM)、アドハム・ババ氏(Umno)、ヒシャムディン・フセイン氏(Umno)、ウィー・カ・ション氏(MCA:マレーシア華人協会総裁)が任命された。

一方で、アハマド・ザヒド・ハミディ氏(Umno総裁、現在法廷で裁判中)とPAS総裁のアブドル・ハジ・アワン氏の入閣はなかった。


 31人の大臣と38人の副大臣を擁する新内閣は、前政権のパカタン・ハラパン(PH)に比べ規模が大きく、政党でみると、UMNOは9人の入閣と最も多い。次いでPPBM7人、GPS4人、PAS3人、PBSからは一人の入閣、加えてアズミン氏とザフルル氏とズルキフリ氏を含むその他5人の閣僚が含まれる。同首相は全ての閣僚がマレーシアの汚職防止委員会(MACC)と警察の双方から審査を受けたことにも触れた。


 今回の組閣に即座に反応した同国NGOの女性支援機関(WAO)は、声明で「たった15.6%の入閣率」と新政府において女性が引き続き過小評価されていることに失望の意を表した。

2年前改革に票を投じた国民、これを受けた前政権によって様々な改革が進められ、議会で実現させていく矢先だった。新内閣は、こうした取り組みをどうやって継続してくか示していく必要がある。


 政治アナリストのクー・カイ・ペン氏は、ムヒディン氏の副首相を置かない決断は連立与党にとってポジティブに動いているようだが、首相不在時に誰がその座に就任しリーダーシップを持って決断していくのか、その明確なラインが必要であるとし、「首相に何か起こった場合、“第2の人物”をはっきり決めて、その人物が国会の信頼を十分に引き継いでいけるようにするべきだ」と指摘した。


 一方、弁護士のコキラ・バーニ・バディベロー氏は、連邦憲法において副首相を任命する必要があるとの記述はないと、述べている。


 副首相は常に注目のポストであり、連立政権内のどの党にこの重要な地位を与えられるかが推測されてきた。過去、同国で副首相不在、かつ、その期間が最長だったのは98年9月2日に、当時のマハティール・モハマド首相がアンワル・イブラヒム副首相を解任した時だ。その4か月を経た1999年1月8日に、アンワル氏の後継としてアブドラ・アハマド・バダウィ氏を任命したという経緯がある。(ザ・サン・デイリー/3月10日)

© スダマカンマレーシア情報. For Your Media, Corp. All rights reserved.