“マレーシア人留学生の母”、下園聖子さん2020年度(令和2年度)外務大臣表彰を受賞


 30年以上に渡りマレーシア人留学生との交流に務め、留学生支援制度や、姉妹都市提携締結に尽力してきた下園聖子さん(鹿児島県日置市、旧吹上町)。日本外務省が昨年12月に発表した2020年度外務大臣表彰授与者の中にその名が挙がると、”マレーシアの子どもたち”は歓声を上げて喜んだ。


 1984年、東方政策を受け地元にマレーシア人留学生が来訪した際、当時小学生だった娘さんのたっての願いを受け、下園家はホームステイ先に手を挙げた。異文化に触れる良いきっかけになるのでは、と考えたという。「イスラム教の奥深さを始めすべてが新鮮で、日本人に足りないものにも気付かされた」と当時を振り返る。すっかりマレーシアに魅せられ、これを機に、留学生らのサポートに奔走する日々が始まった。



 下園さんらの活動は、吹上町の人々のボランティア活動によって成り立ち、雑貨販売やマレーシア料理紹介イベントなどを通じて資金を捻出している。


 活動を続ける中では、心無い声に傷ついたこともある。「無償でボランティア?その活動が一体何の役に立つの?」と言われたときは、さすがに落ち込んだ。そんな下園さんを支えてくれたのは、他ならぬ留学生たちの笑顔。「支えていたつもりが、支えられていたのは私の方でした」。


 留学生らが懸念なく学業に邁進できる環境整備を目指そうと、県内外のマレーシア人留学生を支える里親制度を創設、2010年にはスバンジャヤ市(クアラルンプール近郊都市)との姉妹都市提携に尽力する。  


 英語が話せないながらも国際協力の一端を担ってきた下園さん。受賞の知らせを受けたときは実感が湧かず、市長表敬訪問などを通じてようやく賞の重みを感じた、という。「お母さんの娘で良かった」と受賞を喜ぶ娘さんの言葉は新たな自信に繋がるとともに、家族と周囲のバックアップあってこその受賞と、感謝の念を新たにする。


 25年前、留学を終えて帰国する留学生らが「私たちはお世話になったことを一生忘れない」と声をかけてくれた記憶が今、まざまざと蘇る。「彼らの真摯な人柄が、私の人生の道しるべだった。これからも留学生たちに寄り添っていきたい」と、マレーシア人留学生の「日本のお母さん」は微笑んだ。