マレーシアで端午の節句 無病息災を願うニョニャちまきで祝う


福州ちまき


 2020年6月25日は旧暦の5月5日、端午の節句です。端午の節句は中国を由来とするため、当地マレーシアの中華系の人々にとっても大切な日。ただし、日本のような「子どもの日」ではなく、五節句(人日:じんじつ、上巳:じょうし、端午:たんご、七夕:しちせき、重陽:ちょうよう)の1つ、および四大祭り(春節、清明節、端午節、中秋節)の1つとして、厄除けや無病息災を願い、各家庭で厳かに執り行われます。


 さて、端午の節句といえば、粽(ちまき)。当地では粽子(チャンツ)と呼ばれ、中華料理店などで普段から目にする機会は多い品ですが、端午節のちまきはそれらとは異なり、この時期にしか味わえません。また、作り手の出身地によって、具材、味、見た目のいずれも大きく変わります。

 例えば、福州(福建)出身の家庭で作られるちまきは、小豆餡の入ったもの。スイーツと受け止められがちですが、甘みは極力抑えられているため、食事としても十分堪能できる逸品です。


 また、マレーシアで発達したちまきも存在します。ニョニャ・チャンツ(ニョニャちまき)と呼ばれるもので、端午節前の2週間、マラッカとペナンの市場でのみ出回ります。もち米部分の一部がバタフライピーと呼ばれる天然の花で青色に染め付けされていることを特徴とし、具材として鶏ひき肉、シイタケのほか、食感のアクセントとして冬瓜が用いられます。なんとも上品かつ複雑な味わいの秘密は、コリアンダー・シードなのだとか(ベジタリアン用のニョニャちまきもあり)。


 日々の暮らしにおいて重要な端午節をちまきを食べ比べながら過ごせるのも、当地ならではの楽しみではないでしょうか。(渡部明子)


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