マレーシア、緊急事態宣言を発令

 ムヒディン首相は12日、テレビの特別演説で、アブドラ国王がマレーシア全土にわたる緊急事態宣言の発令したと発表した。同国内で悪化の一歩をたどる新型コロナウィルスのパンデミックを封じ込めるための予防措置として8月1日まで施行される予定だが、状況が改善次第、宣言が解除するという。


 同首相は同演説内で「同国内における発症例数は連日4桁を記録し、非常に深刻なレベルにある」と説明。統計によると、15の病院において、新型コロナ対応の病床使用率(ICUを除く)が70%を超えたことに加え、コロナ専用のICU病床使用率に関しては100%に到達。またクアラルンプール病院とマラヤ大学医療センターに関しては病床使用率が100%、スンガイ・ブロー病院は83%に達しているという。ペラ、セランゴール、マラッカ、トレンガヌ、サラワクにおける患者の病床使用率も70%を超えた。これを受けて、同首相は前日の12日の夕方、緊急事態宣言の必要性を国王に提言したという。


 同首相はこの緊急事態宣言に先立って、11日、1月13日~26日の14日間、ペナン、セランゴール、クアラルンプール連邦直轄領、プトラジャヤ、ラブアン、マラッカ、ジョホール、サバなどの州や地域にMCO(Movement Control Order)の再導入を発表。パハン、ペラ、ネグリ・センビラン、ケダ、トレンガヌ、ケランタンについてはEMCO(Enhanced Movement Control Order)、ペルリス、サラワクについてはCMCO(Conditional Movement Order)の導入を発表している。


 また国内で発生している洪水の影響についても言及し、「国王は国民の安全を非常に懸念している」と述べた。12日時点の国内の新規感染者数3,309人が確認されているなどを背景に、「国王は国民の健康と国の幸福に悪影響を与えるだろう問題に対し、早急な対応と改善策が必要だと表明している」と説明した。加えて、「昨年3月のMCO実施時のように人々が示した精神と協力でウィルスを効果的に封じ込めることができることを確信している」と述べ、「国民に対し、この緊急事態において冷静かつレジリエンスをもって対応していくよう促している」と述べた。


 また近く調達予定のワクチンに対する期待についても言及。「同国内におけるウィルス感染拡大の抑制に大いに期待している」としたうえで、最前線に立つフロントライナーに対し、「新型コロナウイルスと戦うために疲労や命を省みず、昼夜問わず一生懸命働いている全てのフロントライナー達に対し、最高の感謝を表明している」と述べた。


 また、同宣言発令について、同首相は「政治的クーデターではない」と強調。前回実施したサバ州における選挙の例を引き合いに出し、「国民は(このような状況下での)選挙実施に賛成していない」と説明した。「国民の生命を守るためのシャーリア法に沿った措置」と説明し、これにより、同期間中は連邦議会および州議会の開催や、総選挙、州選挙、補欠選挙が出来なくなる。一方で、新型ウィルスに関する内容に関しては、独立した特別委員会を設置し、対応していくという。

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