ペナン交通計画見直し論 再浮上

 ペナン交通マスタープラン(PTMP)の実行可能性と合理性に関する疑問が再浮上している。

 プロジェクトの反対派は、より多くの人々が自宅で働くことなったニューノーマル(新常態)となった今、このような巨大交通システムは不要、かつ、無駄になると指摘。

 歴史家のクレメント・リアン氏はサン紙の取材に対し、「ペナン州政府の優先課題は、新型コロナウィルスのパンデミックによる影響から、確実に経済回復をすることだ」と述べたうえで、「経済減速に伴い、“大がかりな計画”よりもコストがかからない代替案を模索するほうが合理的ではないか」と述べた。

 同交通マスタープランは、2つのパン・アイランド・エキスプレスウェイ(高速道路)、コムタとバヤン・レパスにあるペナン国際空港を結ぶ軽量軌道交通と、マレーシア本島のバタワースとペナン島のウェルド・キー間のケーブル・カー・システム、また、水上タクシーで構成される。加えて、ペナン島のガーニー・ドライブとマレーシア本島のバガン・アジャムを結ぶ海底トンネル、リム・チョン・ユー・エクスプレスウェイとエア・イタム、ガーニー・ドライブ、テルク・バハン、それぞれを結ぶ3本の高速道路の建設も含まれる。

 プロジェクト計画についての議論が始まった2009年、当初計画されていた総工費270億リンギは、ここ数年で460億リンギに拡大。膨れ上がったプロジェクトのコストを引き下げるため、ペナン政府は本島南岸地域4500ヘクタールの埋め立てに新たに11億リンギ費やし、3つの人工島を建設する計画を打ち出した。完工後、これらの島を700億リンギで販売し、埋め立てと交通マスタープランにかかるコストを補填する計画だ。

 だが、ペナン・フォーラムなどのグループから同州の交通ニーズに見合ったより安い選択肢を求める提案が多く寄せられている。

 ペナン・ヘリテージ・トラストのメンバーでもあるリアン氏は、「計画は人や車の大量輸送が優先事項だった1980年代に適応した技術に基づいたもの」と指摘。加えて、「2020年になった今、優先事項は持続可能性。近い将来より多くの人々が自宅で働くことになりそうな事実に加え、同州の出生率は国内で最も低い。このような大きなプロジェクトを行う必要はなくなった」と述べた。

 ペナン・フォーラムのリム・マー・フイ会長は2017年、埋め立て計画を必要としない “より良い、より安い、より速い”代替案を主張したことを明らかにし、同計画を“生態系破壊の動き”と言及。公共交通機関の効率化を図るため、より多くのバスレーン開設や市電、ライドシェア(自動車の相乗りなど)の利用率を高めることを提案している。

 これに対し、ペナン州行政委員会、インフラ担当のザイリル・キル・ジョハリ委員長は、このコンセプトを誤解していると批判。「トップクラスの交通システムは新たな投資誘致を促し、経済成長をもたらす」と述べた。(ザ・サン・デイリー/8月24日)

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