ゴム価格上昇見込み ゴム手袋の需要拡大で:MRB

 マレーシア・ゴム委員会(MRB)は18日、新型コロナウィルスの世界的流行により、2020年の同国におけるゴム手袋の需要が増加し、市場におけるゴム価格が上昇するとの見通しを示した。


 同委員会のザイロッサニ・モハド・ノル会長は、2020年のマレーシアにおける世界ゴム手袋市場の占有率が、現在の62%から3%増加し、65%になるという経済専門家の予測を受け、「この3%の増加は国の追加収入、30億リンギに相当するが、今後の新型コロナウィルスの状況による」という見通しを示した。


 1980年代以降、人の免疫システムを破壊するHIV(ヒト免疫不全ウィルス)などAIDS(後天性免疫不全症候群)を引き起こす疾患によるゴム手袋セクターの需要が世界的に高まり、マレーシアのゴム産業は年々拡大。今日、マレーシアはゴム手袋部門における世界最大の生産国となった。


 これらを背景に、同会長は「パンデミック発生時には、ゴム業界や医療関連のセクターが恩恵をうけやすい」ことについて言及。現状、ゴム価格は下落局面にあるものの、「ゴム手袋がゴム業界の救世主になる」とし、2019年、同セクターが約170憶リンギと同国経済に大きく貢献したことに触れ、世界最大のゴム手袋生産国である同国のゴム手袋部門が引き続き、この地位を維持すべきであるという見解を述べた。今後のゴム手袋部門の伸び率についても、5.0%から25%になる見通しを示し、そのうえで、「(同国の)ゴム産業全体で、年率5-6%の割合で拡大していく」と述べた。また、ゴム手袋以外にも、カテーテルなど手術用の器具の製造もおこなっていることについても触れた。


 ゴム価格については「グローバル市場によって管理されている」と述べ、「これまでのサイクルではアップダウンを繰り返しており、2020~21年は下落基調にある」ことに言及。ゴム価格が数年前の1キロ3リンギから、現在の1.70リンギ近辺まで下落しているため、業界関係者、特にゴムの木の樹液採取労働者や小規模農家を苦境に追い込んでいる現状に触れた。


 だが、「ゴム木材輸出を含めば、ゴム生産は310億リンギとなり、400億リンギ(国民所得)を生み出すことができる」とし、今後のゴム産業の戦略的発展を確立するために、土地の少ない小規模農家はこれまでの20~30年前のゴム生産方式から新しい技術での生産方式へ移行する必要性を指摘している。


 小規模農家の一部が、MRBやRISDA、また連邦土地開発公団(FELDA)、旧連邦土地統合・再生局(FELCRA)など関連機関の機能について未だきちんと把握できていないことにも触れた。MRBの主な目的について、「調査活動を通じて、ゴム産業の技術や政策、戦略を開発することと説明し、直接小規模農家とのやり取りは行わない」ことを強調。同委員会がRISDAが関連業界にも製品技術を移行しつつ、小規模農家への技術移行を行う、と述べた。


 ゴム産業を斜陽産業と指摘する一部の意見に対しては、ゴムの同国の輸出への寄与度が前年比で増加していると説明。同会長は「1990年から現在まで、ゴム産業が年間5~6%の伸びを示す、同国で最も急速に成長している産業である」と述べ、同国経済への貢献に関して、1990年に13億リンギだった輸出が、現在は310憶リンギになっていることを強調した。「同国のゴム業界の市場シェアは世界全体の3%。今後、拡大する可能性は非常に大きい」とし、同国のゴム業界の先行きについて見通しは明るいと述べた。(ベルナマ/4月18日)

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